「歯石」ってどこにあるかご存知ですか?
よく「歯石が付いた」とか「最近歯石をとった」とかいうのを聞きますが、歯石ってどこについているかご存知ですか?歯にだけ付くと思っていませんか?
答え:お口の中にある硬いものには全て付きます。(*^_^*)
硬いもの「歯」は言うに及ばず「かぶせた冠」や「入れ歯」にも付きます。
また、「歯」に付く歯石についていえば「ハグキ(歯肉)の上」に付く「縁上歯石」と「ハグキの中」に付く「縁下歯石」があります。「歯石」は口腔常在菌要塞です。ただ漠然と汚れと思っていませんか?
お口の中に生息している菌「口腔常在菌」の集合体である「歯垢(プラーク)」が唾液や血液中のカルシウムを取り込み、空気の好きな「好気性菌」はハグキ(歯肉縁)の上に「縁上歯石」を、空気の嫌いな菌「嫌気性菌」はハグキの下に「縁下歯石」をつくります。地上の要塞、地下の要塞といったところでしょうか。
「縁上歯石」は形成速度が速く2週間くらいで(個人差あり)主に好気性菌により形成される唾液由来でアイボリー色の軽石のような硬さの歯石で、歯面への固着力は弱くスケーラーで比較的に容易に除去出来ます。
「縁下歯石」は主に嫌気性菌による血液由来で暗褐色の歯石です。形成速度は縁上歯石に比べ遅いですが、硬く(特にレントゲンにさえ写ります)、歯面への固着力が強いので除去が困難です。この縁下歯石の要塞に住む嫌気性菌が生産する毒素はハグキに炎症を起こしたり、歯槽骨(歯の土台の骨)を破壊して歯をグラグラにしたり、妊娠中の胎児に低体重や早産といった悪影響を及ぼしたり、糖尿病などの成人病と密接に影響したりといいことがありません。
歯科医師による定期的なチェックを受けてお口の健康の維持をお勧めします。
【参考文献】 Soft Bank Creative 社 「歯と歯ぐきを守る新常識」河田克之 著 より